About IROAST

概要

国際先端科学技術研究機構は、本学の自然科学分野の国際的な研究力の向上を図ることを目的として平成28(2016)年4月に設置されました。本研究機構は、本学自然科学分野の研究組織と連携し、世界トップクラスの大学や研究機関との国際共同研究の推進や医理工連携など、分野をまたぐ研究プロジェクトの立ち上げなどにより、多くの優れた成果を挙げています。また、卓越した研究者を招へいし、国際シンポジウム等の開催や国際共著論文としての成果公表などにより、国際的な認知度の向上を図っています。

更に、テニュアトラック制度の活用や研究費支援、若手研究者の海外派遣支援、博士研究員や大学院生等の国際共同研究ネットワークへの参画などにより、国際通用性の高い、世界第一線で活躍できる研究者の育成に取り組んでいます。これらの取組みにより、世界トップレベルでオンリーワンの研究を展開し、国内外から卓越した研究者が集まる頭脳循環拠点として、世界を安全で持続可能な未来へと導くことを目指しています。

 

第1フェーズ(2016-2021)

平成28(2016)年度から6年間を第1フェーズとして、以下の4領域を重点研究領域として掲げ、特色のある先導的研究を展開し、研究面での国際競争力を強化するとともに、国際的に優れた研究基盤のもと、世界を牽引する創造的な若手研究人材の育成に取り組んでいます。

先進ナノ物質科学領域:パルスパワー科学分野や高強度・不燃性金属マグネシウム合金など先進金属材料分野をはじめ、酸化グラフェンナノシート、水素製造触媒、超高圧・超重力など極限環境下での未踏新物質開発等

グリーンエネルギー領域:地熱資源、水資源などの再生可能エネルギー資源の開発とその応用やバイオマス応用等

気水圏環境科学領域:気水圏環境を対象とする環境評価と気候変動の解明、地下水や浅海域の保護等

先進グリーンバイオ領域:医学、薬学及び農学との融合領域、例えばドラッグデリバリーシステムの開発や環境に優しい農薬開発、X線CTやITによる医用診断等

第2フェーズ(2022- )

令和4(2022)年度からの第2フェーズは、自然科学系の国際的な研究拠点として、更に事業を発展・強化させ、次世代の自然科学分野を支えるSociety 5.0の実現に向け、安全で安心なWell-being社会を構築するための科学技術に重点を置いた研究活動を行います。

Well-being社会構築のための科学技術
  • 人に寄り添う技術・・・バイオ・医療、低環境負荷、生物環境学
  • レジリエンスの強化・・・安全・安心社会、防災・減災
  • 先進材料
  • データサイエンス・AI

IROASTの取組み

将来を担う優秀な若手研究人材の育成

テニュアトラック制度のもと国際公募により、優秀な若手研究者を発掘し、育成しています。テニュアトラック期間中は、自ら国際共同研究を主導するなど研究主宰者(PI)としての役割を担うと供に、海外研究者や異分野の研究者と国際共同研究ネットワークを構築し、博士研究員との共同研究や大学院生等の研究指導を行うなど、研究・教育活動のスキルアップを図ります。また、若手研究者を海外に派遣する「国際共同研究員制度」や英語論文投稿支援、海外からの大学院生や若手研究者に研究指導を行うインターンシッププログラムの提供など、国際通用生の高い若手研究者育成に取り組んでいます。

強固な国際共同研究ネットワークの構築と国際共同研究の推進

本学自然科学分野の研究組織と連携し、世界トップクラスの大学や研究機関との国際共同研究の推進を行っています。世界一線級の研究者を卓越教授として採用、また国際的に著名な研究者に客員教授・客員准教授の名称付与を行い、共同研究の実施や国際セミナーの開催、大学院生への集中講義の実施などを通して、国際的な視野から本学の研究活動の推進・発展に貢献しています。また、学際的で最先端の国際共同研究ネットワークの構築を目的に、リサーチユニットの形成を支援しており、IROASTテニュアトラック教員をはじめとした本学の教員、卓越教授や客員教授などが共同研究を進めています。

異分野融合のもと、先導的かつ先端的研究プロジェクトの開拓

若手研究者主体のリサーチユニットでは、シンガポールの大学や医療機関と共同で、心臓機能モニタリングのためのウェアラブル・センサーの開発や画像イメージの多角的な活用を研究し、他分野研究者の高い関心を集めています。また、オーストラリアや韓国の研究者との共同研究では、効率的な腫瘍治療のための機能性ナノ材料の研究を進め、最高水準の国際誌に共著として発表しました。更には、熊本大学国際先端医学研究機構(IRCMS)との合同セミナーを実施するなど、両研究機構所属の研究者による共同研究が進行中です。人文社会科学系分野との連携も開始しました。

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